「あら、そちらの方は?」
「彼女は巳甘さんです。」
「巳甘はんよろしゅうな。うちは幾松どす。」
「幾松さん、よろしく。」
幾松さんはあたしの耳元に近寄って
「桂はんは、渡しまへんから…」
そう呟いて「桂はん、うちにおもろい話しをしてくれへん?」と、小五郎さんに話しかけていた。
小五郎さんを渡しません?
幾松さんは小五郎さんの事好きなのかな…
なんであたしに言うのよ。
別に誰が小五郎さんを好こうが勝手にすればいいと思った。
別に小五郎さんの事好きじゃないもん…
けどなんか小五郎さんと幾松さんが話している声なんか聞きたくない。
手に力を込めた。
すると頭に何かが置かれた。
「それ以上握ったら血が出るぞ。」
「…うん、分かった。」
「…ったく。」
晋作さんがあたしの頭を撫でていた。
「晋作さん、髪が崩れるから…そろそろ……」
「そんなもん、俺が直してやる。」
「わぁっ!ちょっと!」
そんなあたしに容赦なしに髪をぐしゃぐしゃにする。
スル
目に巻いてた布が取れた。
「もう!取れたじゃない!」



