そんな声が届いたのかあたしの方へと向かってくる小五郎さん。


「巳甘さん?!大丈夫ですか?」


「独りは…嫌。寂しいの……。寂しくて寂しくてたまらないの。」


「巳甘さん?しっかりして下さい!」


「嫌なの、独りは。ずっとずっとは…いや。そばにいて…」


「そばにいますから。だから、落ち着いて下さい。」


ふわりと小五郎さんに抱きしめられる。


「うん。もう…大丈夫。」


「よかったです。」


「小五郎さん…あの人達は…?」


「あの人達はもういませんよ。だから、もう帰りましょう。ね?」


「うん。晋作さんは?」


「ここにいる。」


あたしの後ろにいた晋作さん。


気づかなかった…


「巳甘さん乗って下さい。」


「うん。」


あたしは小五郎さんにおんぶをしてもらって、家に帰った。