「え?ええ?」
2人が迫るから巳甘さんは困っていた。
「よし、このまま薩摩に来い。」
ついには西郷さんまで。
「こらこら、皆さんやめてあげないと彼女、怖がってますよ。」
柔らかい笑顔で伊東さんが巳甘さんを助けた。
「大丈夫ですか?」
「うん…。あ、伊東さん!」
「なんですか?」
「あたしに学問を教えてくれませんか?」
ってことで
「伊東さん、ここは?」
「ここはですね…」
「わぁ!ありがとうございます!」
部屋の隅で二人は学問をしていた。
残りの3人は学問が嫌いらしく僕と四人で部屋の真ん中で飲んでいた。
僕はお酒を飲みながら2人の様子を見ていた。
「桂。」
「なんですか、高杉。」
「巳甘には長州とかの事言ったのか?」
「えぇ。」
「巳甘は俺らの味方だって?」
「そんなことは聞いてませんが佐幕派に寝違えることはないでしょう。」
分からなかった問題が解けて嬉しそうに笑う巳甘さんを見た。
「そうぜよ。小五郎のゆうとおりじゃ。」
「ったく。そんなこと分かってる。巳甘は俺らのことは裏切らないと思う。」
「そうだな。」
西郷さんも皆、巳甘さんの事信じてるんだ。
ふと見ていたら巳甘さんと目があって
「大丈夫、心配しなくて。あたしはこっちの味方だから。あたしを助けてくれた恩返ししないとね。」
「きこえてたのか?」
「そりゃもう。しっかりと。」
「巳甘さんは目と耳が人間よりも優れてるんです。鼻は全く駄目らしいですけど。」
「鼻が駄目なら、料理の味がわかんない筈だ。」
と高杉。
どこまで僕を馬鹿にする気ですか?