「金平糖。」


そう言いながら微笑んだ彼女に僕らは一瞬で目を奪われた。


伊東さんまでもが頬を染めてぼーっとしてる。


西郷さんは「やっぱ、欲しい…」とかずっと言ってます。


高杉はというと


「甘い物好きなのか?」


直様巳甘さんの近くに行って聞いてる。


「うん、大好き。あ、小五郎さんも金平糖好きなんだって。」


いつの間にか敬語じゃなくなってる巳甘さん。


「だから、好きなのか?」


「ううん。あの甘いのが好き!」


「へぇ。甘いの好きなんだ。」


妖しく高杉の目が光る。


「うん。」


「もっと甘いの食べて見たくないか?」


「食べたい!」


「そこまでですよ、高杉。」


僕は危ない所だったから素早く止めた。


「チッ。」


「高杉さん?」


「晋作って呼べ。」


「晋作さん?」


「うん。それな。」


高杉は、僕の事わざと無視してますよね?


「あ、小五郎さん!」


「なんですか?」


「金平糖も好きですけど、小五郎さんの料理も美味しいから好きですよ。」


「よかったです。」


貴女の一言で僕の苛立ちがなくなりました。


「え?あの、小五郎の飯食うたんかぇ?」


「あの不味い飯を…?」


僕の料理を食べたことある高杉と龍馬さんは嫌そうに顔をしかめた。


「うん。食べたよ?とっても美味しかったの!」


2人してすっごい変な顔して巳甘さんを見ていた。


「巳甘、今からでも遅くないぜよ。わしと寺田屋におらんかぇ?」


「そうしろ、巳甘。」