ある日クロンヌは、大陸を散歩していました。そして時の神樹の下で、美しい女神に出会います。女神ベルスーズはクロンヌを見つけると、微笑んで言いました。
「創造神さま、この世界にはまだ足りないものがございます。それを私が今から作って差し上げましょう」
 ベルスーズは自らの血から一組の人間の男女を作り出しました。そこでクロンヌも血から一組の人間の男女を作り出すと、人間はやがて増え、大地を耕すようになりました。今では世界にたくさんの命があふれていました。やがて人間は集まり、ひとつの国をつくりました。その国のひとつの岩から祖国の神パトリアが生まれ、国の守護神となって見守っていました。
 数日たったある日、ベルスーズはハキムに、エテルネルに生み出され、エテルネルを封印から解放するつもりであったこと、しかし今はベルスーズはクロンヌを愛し、クロンヌに仕えたいと思っていることを告げました。ハキムはベルスーズをなだめ、南に向かうように言いました。
 ベルスーズがハキムの元を去った後、ハキムの袖から蝶の姿で現れたクロンヌは、白馬に姿を変えると走り出しました。ベルスーズに追いついたクロンヌは元の姿に戻り、驚くベルスーズに愛を告げました。
 こうして、クロンヌとベルスーズは結ばれ、その間に月の神セイアッドと信仰の神グラオベが生まれました。