朝。 いつも通りの、朝。 亜希を迎えに行き、一緒に登校する。 ガヤガヤと騒がしい玄関。 『おはよう!本山夫婦!』 調子のいい声が届く。 「渉。おはよう。」 目を向けると、栗色のパーマヘア、制服を着崩した、いわゆるチャラい奴が立っていた。 星崎 渉は高校から仲良くなった友人の一人。 特に僕につきまといが酷く、最初は亜希が目当てかと思った程。 蓋を開ければ、ただ単に好かれていただけという何とも気持ちの悪いオチだった。