いつもの変わらない朝。 亜希が寒そうに、 少し大きめなベージュのカーディガンの袖口に手をしまう。 いつの間にかイチョウは黄色く色づき、秋の訪れを感じる。 校門をくぐると、近くで声がした。 『本山君っ!亜希ちゃん! おはようっ!』 横に目を向けると、 数人固まっている女子グループの中から、金山さんが顔を出し、手を振ってている。