一面ガラス張りの壁面から夕焼けが差し込み、 図書館全体がオレンジ色に染まる。 最上階のの吹き抜けからそれを眺める。 綺麗だ。 『本山君?』 覚えのある声に振り返る。 「…藤が丘さん。」 *** 『前に聞けなかった事があるんだけど、 聞いてもいい?』 彼女は、切り出す。 「うん。」 目線を下に落としたまま、返事をする。 僕を見つめたまま、彼女は続けた。