課長さんはイジワル2

「ママ~!ま~だぁ~」


今年8歳になる次男坊の陽(よう)が暇そうに車の後部座席で頬を膨らませる。


「さぁ、まだみたいよ」


私の返事に不服だったのか、長男の圭(けい)がメガネをちょんと上げながら不服申し立てをする。


「僕は今年、中学受験なんだよ?
いつまでも父さん達に振り回されるわけには行かないんだ。
その上、長野にスキーなんて……」


もう、圭ってば年々言い方が父親に似てきてムカつく。


「あれっ?!父さん、そっち、長野方面じゃないよ?」


私の隣の運転席に座る要がふっと不敵な笑みを浮かべてメガネをちょこんと上げる。


「諸君。いつ、俺が長野に行くと言った?」

「「えっ?!じゃぁ……」」


圭と陽がごくりと唾を飲む。


「行き先はスウェーデン。文句を言う奴は……」

「「おおっ!!行く行く!!ぜぇぇぇってぇーー行く!!」」


車内は一気に盛り上がる。

要と私はクスリと微笑むと、キスを交わす。




私たちは一緒に生きていく。

季節を追い駆けて、いつまでも覚めない夢を追い駆けて。




【完】