課長さんはイジワル2

「安田にちゃんと返事してなかったから。だから……」

「バカだろ?!俺に義理立てするところじゃないだろ?そこは」


私は安田の手を取ると「ごめんね」とおでこにつける。


「5年前、安田に告白されて……でも、ちゃんと返事をしないまま、課長と走り出してしまって……。すごく残酷なことしたって思って」

「今頃、それ、言う?」



安田が笑う。



「だから、今度はちゃんとしたかったの」

「でも、それでも断るんだろ?」

「……ごめん」

「もし……佐久間課長がいなかったら、俺のこと好きになってくれてた?」

「それ……は……」

「ああ。やっぱりいい。もうこれ以上へこみたくない」


手を振りながら、安田は笑って下を向く。


「でも、これからも俺の後ろで踊って欲しいな」


安田の申し出にコクンと頷く。



「それから、これは俺からの最後のワガママなんだけど……」

「最後の……ワガママ?」

「キスしたい」

「えっ?!」

「この2回目で、最後だから」