課長さんはイジワル2

「それに……なかなか、連絡できなかったもうひとつの理由は、愛を安田に託して去っておきながら、今更、どのツラ下げて……と思うと……」


なんでそんな勝手なことするの?


抗議に顔を上げると悲しそうな課長の瞳に会う。


「でも、日本で新薬の認可が下りたら、会いに来るつもりだった。そして、愛がまだ俺の帰りを待っていてくれたら……その時は………」

「……その時は?」

「俺は今でもまだ、愛に触れる権利はある?」

「ばかっ!何、ばかなこと聞いてんの?
昔も、今も、これからだって……」


私の頬に触れる課長の手が小刻みに震えてる。

ホント。

この人って、なんてばか!


「私の自慢のDカップはずーーーーっと課長のものだよ!」


私の答えに顔をくしゃくしゃにして課長が笑う。


「すごいな」


私の頬に触れていた課長の手がいつの間にか首の後ろに回り、ゆっくりと課長の顔が近づいてくる。

そっと触れるか触れないかの優しいくちづけに、くらくらとめまいがする。