少し、痩せてた。
でも……
でも……
5年ぶりに見た課長の顔は、5年前と変わらなくて……
「そう……だ、テレビ局。テレビ局に問い合わせて、今の映像の……」
「杉原……」
「今の、何チャンネルだっけ……。安田、ごめん。今、何チャンか……あっ!」
カッシャーーーーン!
震える手から携帯が滑り落ちる。
「杉原!」
「あ……っ……!」
床に落ちた携帯の画面が割れてヒビが入っているのに気づかず拾い上げ、手を切ってしまう。
安田が私の指を口に含むとペッと血を吐き出し、ポケットからハンカチを出して指に巻いてくれる。
「安田……」
安田は血の付いた口元を拭いながら、私の手を離さずに「気のせいだよ」と呟く。
「そんなっ!違う!あれは絶対、課長……」
「杉原、考えてもみろよ。杉原が言ったんだ。『佐久間課長は家族性ALS』だって。
だとしたら、若年性での発症の可能性が高い。だから、酷なようだけど……」
「佐久間だよ」
控室のドアが開き、吉田さんが入って来る。
でも……
でも……
5年ぶりに見た課長の顔は、5年前と変わらなくて……
「そう……だ、テレビ局。テレビ局に問い合わせて、今の映像の……」
「杉原……」
「今の、何チャンネルだっけ……。安田、ごめん。今、何チャンか……あっ!」
カッシャーーーーン!
震える手から携帯が滑り落ちる。
「杉原!」
「あ……っ……!」
床に落ちた携帯の画面が割れてヒビが入っているのに気づかず拾い上げ、手を切ってしまう。
安田が私の指を口に含むとペッと血を吐き出し、ポケットからハンカチを出して指に巻いてくれる。
「安田……」
安田は血の付いた口元を拭いながら、私の手を離さずに「気のせいだよ」と呟く。
「そんなっ!違う!あれは絶対、課長……」
「杉原、考えてもみろよ。杉原が言ったんだ。『佐久間課長は家族性ALS』だって。
だとしたら、若年性での発症の可能性が高い。だから、酷なようだけど……」
「佐久間だよ」
控室のドアが開き、吉田さんが入って来る。

