課長さんはイジワル2

「杉原さん、聞いてる?」



なのに……。



「杉原さん?どうしたの?杉原さん?!」


課長の側にいる以外に、どこに私の幸せがあるって言うのよ!


バカッ!バカバカバカカバ!!


私は手紙を握りしめると裸足のままマンションを飛び出し、あの公園目指して駆け出した。


『愛へ。

ごめん。
これから起こることにやはり君を巻き添えには出来ない。
父方の伯母も5年前にALSを発症して亡くなった時、覚悟していた結果だった。
本当にごめん。
最後に会えて良かった。
足は必ず治して欲しい。
幸せになるんだ。  

佐久間』




課長はきっといるはず。

あの公園に……。




でも、そこに課長の姿はなく、私はその場に倒れ込み空を仰いだ。




雪がクルクルと空から円を描きながら舞い落ちてくる。





「ずっと……ずっと、一緒に生きていこうって……。
奇跡を信じるって……。バカ!課長の……課長のバカぁぁぁぁ!わぁぁぁぁっ!!」