おばちゃんと並んで歩きながら、ノリの話をお互いぽつりぽつりと話し出す。



やがて、家の前に着くと、おばちゃんが「あがってくね?」と門扉を開けながら尋ねる。


家には……仏壇がある。



10年くらい前に亡くなったおじいちゃんのために作った仏壇。

きっとそこには、おばあちゃんとノリの写真が並んでて……。


嫌でも、ノリの死を……

もうこの世には存在しない現実を突きつけられる。



6年前。

私はその現実を受け入れることが出来なくて……。


泣いて逃げてばかりいた。



リハビリが忙しい。

受験で行けない。



周りに納得させてた。


自分への言い訳を隠して……。



だけどもう私は、泣いてばかりのあの時の子供じゃない。


目を瞑り、自分に言い聞かせる。


進むんだ。



前へ。

前へ。

前へ。



はぁっと震える息を小さく吐くと、「お邪魔します」と頭を下げて、門扉を潜る。