「お…ば……ちゃ……」

「来てくれとったとねぇ。ありがとね」

いつも「おばちゃん」と呼んでいたノリのお母さんがそこにいた。


おばちゃんは屈んで自分が持ってきた花束を私がさっき置いた花束の横に並べると、目を閉じ、手を合わせる。


「……すみませんでした」


おばちゃんがキョトンとした顔で私を見る。


「私が……車に乗せてっていったばっかりに……」

「なんば言いよっとね、愛ちゃん。それは関係なかって、あん時もゆうたやろ?」

「でも……」

「天命たい」


おばちゃんは立ち上がると、懐かしそうに私を見つめる。


「ほんなごて、きれかお嬢さんになったねぇ。
『太っ腹町の小野小町』っち言われとぉた道子ちゃんにあんたが一番よぉ似とぉとぉ」


……あの、かぁちゃんに?


心境、がばい複雑なんですけど。