か、課長!

安田が見てるんだけどっっっっ!!


「今日は帰ったらハンバーグが食べたい。

だから、マンションで作って待っててくれる?」

「課長……」

課長は頑固だから、どんなに行きたいと言っても、絶対に聞き入れてもらえない。


あの日……。


課長が、安田を殴った時のように固く決心した表情で私に来るなと告げている。


ホント、頑固だよ、この人。


部屋から出掛けたけど、振り返ってかけ戻ると課長に抱きつく。


「愛……」


もう、誰が見てたって構わない。

どんな噂が立ってもいい……。

この人を愛してる。


課長の首に腕を回し、顔を強引に引き寄せると唇を重ねる。


「ハンバーグ作って待ってる。
だから、早く帰ってきてね。絶対だよ」

「……約束する」


課長が私を抱き締め、キスを返す。