課長の笑顔に見とれている私に由紀ねぇがひそっと耳打ちする。


「それにね、こういう大仕事は男の人に任せて愛は思いっきり甘えてればいいの。

女は結婚して、子供を産んだら、嫌でもどんどん強くなるんだから」


「由紀ねぇみたいに?」


「ひどっ!違うわよ」


笑いながら、でも私たち姉妹はきっと心の中で同じことを思ってた。



強くなりたい。

そして、優しくなりたい。


私たちのかぁちゃんみたいに……。