「愛?」

「私、課長とは一緒には住まない」

「どうして?」

「同情とか哀れみとか、いらないから」

「同情?哀れみ?……それ、本気で言ってんの?」

「だって……」

今まで見たことも無い課長の怖い顔に一歩も進めなくなる。

「何でわかんないだよ。

同情と哀れみなんかでこんな大事な事、言うわけ無いだろ?

俺は、お前を愛してるから、だから、一緒に暮らしたいって……

そばにいたいって言ってるんだよ!」


「課長……」


「一体どれだけ伝えたら、分かってくれるんだよ!」


真っ赤になってポカーーンとなる私の顔を見て、課長がはっと我に還る。


課長は、「行くぞ!」と言って私の手をぎゅっと掴むと、数歩前を拗ねたような、むっとしたような顔して歩く。


「いい加減ちゃんと気付けよ、俺の気持ちを……」