安田は相当反省しているらしく、さっきから全然私を見ない。


「私と課長の関係、バラしたかったらばらしてもいいよ。
その代わり、私もあんたを強制わいせつ罪?とかそう言うので訴えるだけだから」


「脅すの?」


「別に。チャラにしようって言ってんの。
あんたのしたことはむかつくけど、誰かをすごく好きで仕方ないって思う気持ちは私だって理解できるから」

「杉原さん……」

「だから、もう二度とあんなことしないで」




「あんなことって、何?」




……えっ?



今の……声……。


安田じゃない。



まさ……か……。


怖くて後ろを振り向けない。