安田!


この間、人にベロチューしといて隣に座るとはいい根性してるじゃない。



「どうぞ。私はもう行くから」

「待って!」


立ち上がり掛けた腕を安田に掴まれる。


「バラすなんてもう脅したりしないから座って」


安田の私を掴む手が震えていたので、私はストンと隣に腰を下ろす。


「ありがとう……。俺、杉原さんにキス……とかしたから、嫌われたんじゃないかって、昨日一日中、すごく凹んでて。
それに杉原さん、昨日、会社休むし……」

「熱、出たから。それに、嫌いだよ、安田のこと」

「ははっ……。きついね、杉原さん」