それは、私がずっと小さかった頃のこと。


 昔はとても活発な子だったと、お母さんが今でも目を細める。


 その頃、私はよく外で遊んでいた。

 1人ではなく2人で、だ。


 今まで生きてきた中で唯一仲良くしてもらった同年代の男の子。

 私は彼のことを、ソウくんと呼んでいた。


 彼は毎日のように遊んでくれて、いつものようにまた遊ぶ約束をした次の日、突然いなくなってしまった。


 指切りをしたときの笑顔が頭のどこかに残っていて、思い出す度、言いようのない悲しさが込み上げる。


 彼と過ごした日々は今もこうして思い出せるのに、どうして私は……。