「ちょくちょく東京に来てたんだ? じゃあミブロが満月の夜だけに現れるっていうのは?」


「そういえば、過去に例を見ない量の不良を片付けたのが満月の夜だったかな。ほら、タチの悪いゴロツキって夜行性じゃない。

 なんかすっごい恐怖を刻んじゃったみたいけど、あれで治安がよくなったから結果オーライかなって思って」


「……なんで、若葉くんがここの治安を気にしてくれたの?」


「それは君が住んでるから……って」


「え、どうして私の住んでる場所を知っ……」


「何でもない!」



 私の言葉を遮って、若葉くんが咳払いをする。