「話はそれだけか? 俺はもう行くぜ」


「ちょっと待てよ!」


「……だから、何だよ」



 苛立ちを隠さずに振り向くと、肩を掴んでいた日野がうろたえた。

 朝桐と顔を見合わせ、互いの表情をうかがっている。


 言いたいことがあるなら、はっきり言えばいいだろうに。



「お前ら、いい加減にしろよ!」



 狼狽する朝桐と日野を一喝したのは、最後の1人、和久井だった。

 コイツはほかの2人とは違い、真っ向から見据えてくる。