「敬語は使わないでくれるかな? 堅苦しいじゃない」 青年はしばらく目をぱちくりさせていたけど、やがてふんわりと笑顔を浮かべた。 「うん、ありがとう」 こんな反応は初めてのことだった。 なぜそこでお礼を言うのか。 そして笑うのか。 「えっと、見ない顔だけど……何組?」 「A組だよ」 「えっ?」 2年A組。それは、私のクラス。