すでに雨は上がっていた。 雨上がりの夜空に、西に傾いた満月が燦然と輝いていた。 夜中の雷雨に持ちこたえた桜の花びらが、風に揺られてひらひらと舞い散っている。 夜明け前の京の都を、佐藤義清は行き先も知れず歩き続けた。