お母さんの手を振りほどきその場から走り出した。 「……チッ、失敗か」 !? 「はぁっ、はぁっ…」 走って走ってたどり着いたのは高台の公園だった。 満点の星空。 まだ五月。少し夜風が肌寒い。 「寒むっ……」 黒いベルスリーブのワンピ。着て来たジャケット忘れてきちゃった。 ブルっと身を震わせて、自分の身体を抱き締める。 そういえば……徹に初めて会った日も今くらいの時期。そしてこの場所だった。