ひまつぶしの恋、ろくでなしの愛

それから、彼らは一斉に私のほうに目を向けてきた。




「……な、なんでしょう?」



「いや、光太にここまで言わせるなんて、いったいどんな女性なのかと」



「え………っ」




5人からまじまじと見つめられて、ひどく居心地が悪い。


しかも、先生がぎゅうぎゅうと抱きしめてくるので、さらに居心地が悪い。




「智恵さん、でしたっけ?」




一人がゆっくりと口を開いた。


一番先生と親しそうな男だ。




「俺、光太とは小学校からの付き合いなんですけどね」



「長いですね」



「腐れ縁てやつでね。で、ずーっとこいつの女性遍歴を真近で見てきたわけですよ。

あ、こいつが女好きだって知ってました?」




「はい、知ってます」と頷くと、男はほっとしたように微笑んだ。




「そりゃよかった。

こいつね、見た目もいいし、物腰も柔らかいし、まあ昔からモテるんですよ」



「………でしょうね」



「で、来るもの拒まずなんで、まぁあっちこっちと付き合って」