ひまつぶしの恋、ろくでなしの愛

彼女たちが立ち去ったあと、私は両手で顔を覆った。



じわりと涙腺が緩んでくるのが分かる。


社内だし、さすがに泣きはしなかったけど。



でも、それくらい………なんて言うか、嬉しかった。



ぼんやりとコーヒーをすすりながら、学生時代のことを思い出す。



はじめは、小学生のときだった。


先生にえこひいきされてる、と言って、突然、クラスの女子たちから仲間はずれにされるようになったのだ。



最初はそれほどひどくなかったけど、女子と喋れないから、必然的に、声をかけてくれる男子とばかり話していたら、

女子たちからさらに白い目で見られるようになって、無視はどんどんエスカレートした。



勉強も運動もできたから一目置かれていたせいで、いじめられたりはしなかったけど。


でも、女子は誰ひとり私に話しかけてこなくなった。



………いや、あれもいじめか。


自分がいじめられているなんて、プライドが許さなかったから認められなかったけど。