ひまつぶしの恋、ろくでなしの愛

「あとは、多分、やっかみっていうか、嫉妬ですよ」



「きれいで頭もいいとか、ちょっとずるいなーとか思っちゃうもんね」



「でも、それで悪口言うようなのはさ、逆にみっともないよね」



「うん、そういう人間にはなりたくない。やっかむんじゃなくて、少しでも近づこうって努力するような人間になりたいな」



「あはは、なに真面目ぶってんの」



「人生論、的な?」



「ちょっといたいって」




あははは、と明るい声を上げて弾けるように笑う三人を見ていると、喉の奥のほうが引き絞られたように痛んだ。



ふうっと細く息を吐いて、なんとか気持ちを落ち着ける。




「………ありがとう。

そんなふうに言ってもらえて、嬉しい」




声の震えに気づかれなかっただろうか。


こんな情けない姿、見せたくなかったな。



でも、彼女たちなら、馬鹿にしたりはしないだろうと思えた。




「いえ、こちらこそ、香月さんと話せて嬉しいです」



「夜、楽しみにしてますね」



「帰るとき声かけます」



「うん、よろしく」



「じゃ、一足先に戻ります」