「………せ、んせい?
どうしたんですか、いきなり………」
動揺のあまり、訊ねる声が震えてしまう。
先生は一瞬かんがえこむように黙ってから、小さく答えた。
「うーん、愛しさが込み上げて?」
ふふっと笑いを洩らした先生の吐息が耳の裏にかかり、ぞくりと肌が粟立つ。
ーーーいとしさ?
なに、それ?
そんな言葉をかけられたことはない。
何も返せずにいると、先生が私の身体に回した腕にぎゅっと力をこめた。
それから、すっくりとさするように背中を撫でられる。
「智恵子は可愛いよ」
あやすように何度も何度も撫でながら、先生は私の耳許に囁きかける。
私は思わずびくりと肩を震わせて、身をよじって先生を見つめた。
「………かわ、いい?
何を仰っているんですか………」
私が、可愛い?
だから、そんなのありえないって。
きれいだとか美人だとか言われたことは数え切れないほどあるけど、
こんなに真剣な顔で、『可愛い』だなんて、一度も言われたことがないんだから。
どうしたんですか、いきなり………」
動揺のあまり、訊ねる声が震えてしまう。
先生は一瞬かんがえこむように黙ってから、小さく答えた。
「うーん、愛しさが込み上げて?」
ふふっと笑いを洩らした先生の吐息が耳の裏にかかり、ぞくりと肌が粟立つ。
ーーーいとしさ?
なに、それ?
そんな言葉をかけられたことはない。
何も返せずにいると、先生が私の身体に回した腕にぎゅっと力をこめた。
それから、すっくりとさするように背中を撫でられる。
「智恵子は可愛いよ」
あやすように何度も何度も撫でながら、先生は私の耳許に囁きかける。
私は思わずびくりと肩を震わせて、身をよじって先生を見つめた。
「………かわ、いい?
何を仰っているんですか………」
私が、可愛い?
だから、そんなのありえないって。
きれいだとか美人だとか言われたことは数え切れないほどあるけど、
こんなに真剣な顔で、『可愛い』だなんて、一度も言われたことがないんだから。



