和人SIDE

「あぁぁぁぁぁぁ––––––––––––っ」
俺は部屋のベッドで思いっきり叫んだ。

どうしてあいつは俺を無視すんだよ。
理由があんなら言ってほしい。

プルルルル––––
「なんだよ急に」
『ひょえー‼︎和人くん怖ぁ〜い』
「あーむかつく。用がねぇなら切るぞ。悠斗。」
『わりぃわりぃ。今日、和人元気無かったからさどうしたのかなーって』
なんだ。んなことかよ。
「どーもしてねぇから。んじゃ。」
『あぁー待て。壁があんなら、ぶつかってぶっ壊すのが男だろ?』
見透かされてたか。
「あぁ、分かってるよ。」

よし。明日美希にぶつかってみるしかねぇな。


放課後、俺は美希と出会った。
だけどやっぱ無視されんのか。
よし、今しかない。
美希の手をギュッと握り、離さないようにする。

そして、俺は今まで思っていたすべてを美希にぶつけた。
–––––––––俺は、お前が好きだ
あ、俺はなんでこいつに告ってんだ。?
その瞬間、顔にとんでもない激痛が走った。
よく見たらすごい顔で睨みつける美希が俺のこと殴ってた。
女子に殴られるなんて俺、情けねぇ。
美希が何かを伝えてる。あぁ、なんてことしたんだろ。
俺は頭が真っ白になって美希の言葉なんて伝わらなかった。
でも、
–––私とは関わらないで。
これだけは、はっきりと聞こえた。

ハハッ。俺って弱えな。
ぶつかっても壁は壊れなかった。
ただ、俺の心だけがボロボロに砕かれた気がする。

一瞬、目がウルっときたが歯を食いしばって必死に堪えた。