するといきなり何者かに引っ張られた。
すごい勢いで。

ふと前を見るとそこには和人がいた。
「なんでだよ。」
ん？
和人がボソッと呟いた。
「なんなの？離してっ！私は今から亮介と–––––」
和人が怒ったような顔で睨んできた

「なんでそんなに俺に冷たくすんだよ！」
「前は普通に話してたじゃんか！なのになんで急に無視すんだよ。むかつく。」

そして悲しそうな顔でこちらを覗き込んできた。
「俺はただ、お前と楽しく話していたい。お前と同じクラスになってからまともに話せたのお前だけだったんだ。」
「俺はお前が好きだ。俺とつきあってくれ。」

この言葉を聞いて私は怒りに満ち溢れた
そして–––––
––––––––––バシンッ
静かな廊下に響き渡った。

「触らないで！ 勝手なこと言わないでよ。何にも知らないくせに。」
「告白でもすれば付き合うとでも思った？こんなことみんなに言ってるくせによくこんなことできるよね」
「モテるから、フラれることなんてなかったでしょ？」
「ってゆーかいい加減にして！もう私とは関わらないで。んじゃ急いでるから」