「今日は弁当貰ったの?」
「うんっミカ先輩に貰った。」
昼休みだけ、俺にもいつもより機嫌よく答えてくれる美都ちゃん。
今日の美都ちゃんのご飯は、クラスの女子が作った手作り弁当らしい。
美都ちゃんは、俺のクラスの人気者。
「美味しそっ」
弁当を開けて、顔を緩める美都ちゃん。
ヤバイよ……かわいいよ。
俺の理性持つかな?
「ねっ玲。美味しいよっ!」
弁当を美味しそうに食べる美都ちゃん。
昼休みは、理性との戦いである。
俺は食べ終わったパンの袋を捨てて、美都ちゃんの観察。
これも日課。
美都ちゃんの幸せそうな顔を見るだけで俺まで幸せな気持ちになる。
弁当を食べ終わった美都ちゃんに
「美都ちゃーん!弁当どうだった?」
美都ちゃんに弁当を作った女子が感想を聞きに来た。
「美味しかったです。ご馳走様でした。
弁当箱は洗って返しますね?」
女子にだけちゃんとした敬語を使える美都ちゃん。
「良かった!また作ってあげるね?」
「ミカ先輩好きぃー。」
そう言って弁当を作ってきた女に抱きつく美都ちゃん。
「私も美都ちゃん好きよー!」
羨ましい。
あの女と代わりたい。
ズルイ。
「美都ちゃん、俺の事は?」
「玲は好きじゃない」
「えぇーー」
まさかの即答だった。
でもね、良いんだ。
最初は嫌いって言われたから。
大きな進歩でしょ?


