猫の飼い慣らし方


授業を聞き流して、待ちに待った昼休み。


美都ちゃんを教室まで迎えに行って、お喋りしながら俺の教室に行く。


お喋りって言うか、俺が一方的に喋ってるだけなんだけど。


教室に行くと、美都ちゃんに群がるクラスの奴ら。


毎回だけど、嫉妬する。


男女関係なく、美都ちゃんに群がる奴ら。


問題の美都ちゃんはと言うと

俺の時とは違って、威嚇してない。


普通に話してるんだよ?


俺と話すときは、すごい冷たいのにね。

他の奴とは普通に接してるんだ。


酷くない?


軽くショックだよ俺。



最早毎日の事で諦めている俺は、一人でマサトの居る机に行く。


「相変わらず猫は大人気だな。」


「そうだねー。毎回毎回、俺の美都ちゃん奪いやがって……」


「お前のじゃねぇだろ」


「今はね。必ず俺のにするんだ。」


「はいはい。」


マサトは袋からコンビニ弁当を

俺もコンビニで買ったパンを出す。


しばらくすると戻ってきた美都ちゃん。


「美都ちゃん食べるよー!」


「…………」



おいでおいで、と手を振ると白い目を向けられる。


でも、ちゃんと俺の隣に座ってくれる美都ちゃん。


この時が一番幸せ。


美都ちゃんのご飯は、


「今日も沢山貰って来たね……」


「うんっ」


ヘラっと笑う美都ちゃん。


あぁーー!可愛い!もう抱きつきたい!

そんな事したら、殴られるけど。


美都ちゃんは毎回、自販機で買ったオレンジジュースに
さっきのクラス奴らが美都ちゃんにあげるパンとお菓子。

それが美都ちゃんのご飯。


クラスの奴らが群がる理由は、美都ちゃんにお菓子やらジュースやらご飯やら

色んな物を渡すため。


女子曰く、本当に猫みたいな彼女に、母性本能が擽られるらしい。