授業が始まっても、考えるのは美都ちゃんの事。


いつもなら、美都ちゃんをどうやったら懐かせる事が出来るか策略するんだけど

今日は美都ちゃんとの出会いの事を思い出していた。


俺が美都ちゃんに一目惚れした日の事を



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ギリギリで2年生に進級して早1ヶ月。


最近、小学校から連んでいるマサトが嬉しそうに学校に来る。


彼女が出来たのかと思ったけど、どうも違うらしい。


「なぁ玲!」


「なんだよマサト。」


ニヤニヤしているマサト。

正直気持ち悪い。


「昼休みさ、猫に会わねぇか?」


「猫?会いたい。」


裏庭によく来る猫の事かと思い、俺は行くと返事をした。


俺は無類の猫好き。


家では3匹飼っている。


「んじゃ昼休み、連れてくるから」


「はっ?連れてくるって……」


なんだよ、と言いかけたらタイミング良く次の授業を知らせるチャイムが鳴った。

猫って教室に持って来ちゃダメじゃね?


と思いながらも昼休み。


授業が終わってすぐに何処かに行ったマサトを俺は教室で待っていた。


「玲ーー!連れてきたぞぉー。」


ドアに居るマサトに目を向ければ


「離せ!バカマサト!」


マサトに無理矢理引っ張られて来たであろう、女が居た。


白い肌に、大きな猫目。
制服を着崩していて、近寄りがたいオーラーを放つ女。


誰だこいつ。


なんて思いながらも、俺はそいつから目が離せないでいた。


ドキドキと脈を打つ心臓。


ヤバイ……まさかの一目惚れだった。


「さっ、入った入った。」


さすがに男のマサトには抵抗しても勝てない。


背中を押されて、教室に入ってきた女。


「んにゃ!押すな!バカやろー!」


んにゃって


猫かよ……



ん?そう言えばマサトって、

ー「猫連れてくる」

って言ってたよな。