猫の飼い慣らし方


口から出された俺のチュパチャは乾き出している。


「ねっ、玲。」


いいでしょ?と言わんばかりの顔で俺の服の裾を引っ張る美都ちゃん。


ヤバイよ……可愛すぎるよ。


でもさ、流石にダメじゃない?


いくら美都ちゃんが好きでも、それは俺でも恥ずかしいよ?


美都ちゃんに愛を伝えるより恥ずかしいよ?


「み、美都ちゃん……?」


よって俺は結構本気で焦っている。


いつもうるさいマサトまでもが、驚いて固まっている。


「プリン好き。コーラ嫌い。」


目で訴える美都ちゃん。


これだけは無理。

そんな事したら俺恥ずかし過ぎて死ねる自信ある!


「むぅーー」


目を泳がせていると、ほっぺを膨らませて拗ねる美都ちゃん。


おかしい。今日の美都ちゃん、冷たくないよ?

可愛すぎるよ?

どうしちゃったの?


「プリン……」


諦めてくれない美都ちゃん。


「もういいもん。」


もんとか可愛すぎるでしょ。


なんて思っていたら


パクっ


あっ……


チュパチャを持っていた手に重みを感じた。


「み、みみみみ美都ちゃん!?」


顔が一気に赤くなった俺。


その原因は俺の食べていたチュパチャを舐める美都ちゃん。


「プリンうまっ」


呑気に俺の手にあるチュパチャを舐める美都ちゃん。


これ、俺が食べさせてるみたいな絵になるよ?


「みみみ美都ちゃん!?
間接キスだよ!」


顔が赤いであろう俺に、絶句しているクラスの奴ら。


ヤバイ……恥ずかし過ぎる。


穴があったら入りたい。