猫の飼い慣らし方


そして次の日の昼休み。


いつもの様に3人でご飯を食べ終えてお菓子を食べながら雑談中。


ただ、隣から…つまり美都ちゃんから


ジトーーっと熱いしせんを感じる。


「そんなに見つめられたら照れちゃうぞっ」


いつもなら冷たい返事が返ってくる筈なのに


「………」


まさかの無視だった。


でも、視線は明らかに俺で……


「み、美都ちゃん?」


少しばかり焦る。


いつもと様子が違う。


マサトに視線だけ向けると


「ブッ……ククク……」


笑いを堪えていた。


「美都ちゃん、どうしたの?」


思い切って聞くと


「チュパチャ……」


俺の食べていたチュパチャを指差した。


「チュパチャがどうしたの?」


「食べたい……」


そらなら……とコーラ味のチュパチャを美都ちゃんに渡すと


「違う。玲のこれ。」


「俺の……?」


口からチュパチャを出すと


「これ。プリン。食べたい。」


目を輝かせている美都ちゃん。


どうやら俺の食べていたプリン味が食べたいらしいけど


「これ、最後の一個だったんだけど…」


もうないよ?と言うと


「玲のがある。」


………。


まさかね。


俺にいつも冷たくしている美都ちゃんが
まさかそんな事思うはず無いよね?


だって美都ちゃんだよ?


俺たちの会話を聞いていたクラスの奴らまでもが、美都ちゃんの言っている事に驚いて黙ってしまった。


静かな教室に一人、目を輝かせている美都ちゃん。