君のそばに

「…」



ここは、第一美術室。

気持ちを落ち着かせ筆を取る私。

村田珠織。
伊達メガネをかけてウェーブのかかったミディアムな髪の毛。

いつもキャンパスは持ち歩く。

甘いものが好きで、あまり目立たないタイプで大人しいだ性格ということを自分でも良く知っている。

でも、クラスメイトや他の学年の人も私の画力においては一目置いてくれていた。

絵が小さい頃から大好きで、小さい頃から県の展覧会などにも出場してきた。

もちろん今回も、コンクールに出すための絵を書き上げているところ。

「今回は風景画かぁ…」

絵、といっても色々な絵がある。
アニメだったり、油絵だったり。墨絵なんかも時々。

私は大体出来るけど…風景画は苦手だった。

絵の醍醐味といえば風景画なのだが、あの色彩豊かな色を表現することができないのだ。

「もう、いいや。とりあえず…美穂にメールっと…」
私の親友、夏林美穂。
明るい性格のとってもいい子。

美穂はダンスが凄くうまい。


「これ、乾くかな?」
とりあえずこのままにしておこう。
と思い、そのほかの道具を片付けようと席を外した。

それから数分後、美術室に戻ろうとすると自分が書いた絵の目の前に誰か立っているのが見えた。

「…?誰ですか?」
と声をかけると相手は慌てて「あ、悪ぃ」
と言った。

その声の正体は、佐藤光黄。
明るいおちゃらけた性格で皆のムードメーカー。
運動も勉強もできる万能くん。
字もうまいし…才能の塊だと思う。

「どうしてここに?」
私と佐藤くんは接点はあまりない。

「…たまたま美術室に用があってきたらこんなすっげー絵があるんだもんな。見入ってたんだよ。…これ、お前が書いたの?」

「…うん。まだまだだけど。」
私はそう笑うと、佐藤くんは私の作品をまじまじと見つめ「これ、もう少し柔らかい色使えば?」と言った。

「…え?」

「いや、なんかさ…なんか足りないなって思ったんだよ。…なんか、表現はいいんだけど…なんていうか色が硬いんだよな…」

その言葉に私はピン、ときた。

「なるほど…だからなにか足りないなって思ったんだ…!佐藤くん、ありがとう!」
そうか、これが足りなかったのか。

私は慌ててキャンパスをしまい、「家でかいてくる!」と興奮気味に言って帰ろうとした。

「あ、まって。」

「?」

「あの、よければだけど…その絵完成したら俺に見せて?」

「…うん!…できればアドバイスしてほしいかも…」

「…任せろよ、俺けっこう表現力豊かだから!」

と、2人で約束をした。
















…この時は運命だったね。
でも、出会わなければ…よかったなんて思ってしまうんだ。