「でも、今日の会津くん、カッコよかったね。なんか、王子様っていうか。

イケメンだからそう見えるだけだと思うけどね。」



そう言う南ちゃんに不安を覚える。




「あ、会津くんのこと好きになったの?」



恐る恐るそういえば、南ちゃんは一瞬、不思議そうな顔をしてから笑った。




「んなわけないでしょ。不安だったの?」



南ちゃんにそう言われ、ホッとする。




「うん……不安だった。」




私がそう言うと南ちゃんは一瞬固まってからボソリと、



「私を取られたくないのか、会津くんを取られたくないのか、どっちなんだか。」



何かをつぶやいた。