「あっそ。でも、俺はもう手遅れだと思うけど?」




手遅れ……?なにが?なんの話?




私の前から去ろうとする会津くん。




「あ…待って……っ!」




気づいたら私は会津くんの腕をつかんでいた。




「……なに?」



少し、不機嫌にそう言われる。



ひ、ひぃ、ごめんなさい。てか、どうしよう。つかんじゃった……




「えっと…手遅れってどういう……」




私がそう聞くと会津くんはフッと笑った。



「おまえさ、自分から人と話そうとするとからしくねぇよ?」



会津くんにそう言われてカチンとくる。



なによ。気になったから、話を聞きたかったから引き止めたのに。

ダメだったの?


勇気を出して話したのに、キャラじゃないからダメなの?



「私は…頑張っただけなのに……」




そう言って俯くと会津くんに腕を振り払われる。