「あ、あの…っ…」 声をかけるけど気づいてもらえない。 南ちゃんは今トイレだからいないし。 すると、南ちゃんが帰ってきた。 「どうしたの、優香。困ったような顔をして。」 帰ってくるなり、そう聞いてくれる南ちゃん。 「あ、うん…教科書忘れちゃって。」 私がそう言うと南ちゃんは驚いたように目を見開いた。 「めずらしいじゃん。忘れるなんて。頼んだら?会津くんに。」 南ちゃんのその言葉に私はまた会津くんの方を見る。