結婚してください


そして数日が過ぎる。


兄貴からは何の報告も連絡もない。



兄貴の会社の社員なのだ。すぐに調べはついたはずだ。


なのに、何故何の連絡もないんだ?



俺は痺れを切らして兄貴がいる会社の社長室へと向かった。



秘書らは俺の顔を見ても対して表情に変化はない。


なのに、 何故、兄貴が現れるとコイツら秘書は頬をピンクに染めるんだ?!


兄貴は妻帯者だぞ。 そして、俺は独身の結婚適齢期だぞ。


頬をピンクに染めるのは俺を見た時だろ?!



まさかとは思うが、兄貴は浮気しているんじゃないだろうな?



うーん・・・・あれだけ義姉を愛しているんだ。それはないだろう。


と言うことは、やっぱり、俺には魅力に欠けるのか?


何だか自信がなくなって来たぞ・・・



「広樹。どうしたんだ? 何か用だったか?」



「今日は仕事の話じゃない。俺の縁談の話だよ。」



「ああ、例の里子ちゃんね。」



知っていてワザと焦らしているのか? それとも何か問題でも起きたのか?