「よし、俺はこの子を嫁にする!」
「はぁ?! ちょっと待て! お前、身元も何も分かっていないのにお前の嫁にできるか!!」
「じゃあ、兄貴社長じゃないか。俺の為に調べてくれよ。一般家庭の娘でも問題はないだろ?
義姉さんと同じ境遇の女性なら安心して嫁に貰えるじゃないか。」
そうだ、あれだけ日頃、兄貴は義姉を理想の嫁扱いしているんだ。
藤堂家の嫁に欲しいと言っても問題ないだろう。
それくらい俺はあの子に夢中になったんだ。
だから、
もし、あの子の家庭に何か問題があってもあの子を嫁に欲しい。
兄貴は俺の顔を見ると眉間にしわを寄せていたが渋々協力することを約束してくれた。
「あら、素敵じゃない! 私は喜んで広樹さんのお嫁さんにお願いするわ。」
義姉は大喜びだ。
それは当然だろう。
こんな家で自分と同じ境遇の嫁同士になるのだ、話も合ってやりやすいだろう。
だから、兄貴、俺に協力しろよ。
義姉のためにも。



