会社からの参加者は招待を受けた社員のリスト一覧がある。
それを見ればどこの部署に所属しているのかもよく分かるようになっている。
そのリストを見ると数十人の名前が連なっていた。
その中に「里子」という名前を見つけた。
里子が所属するのは営業部だった。
「へー 営業部の女の子ね。新卒なのに何故この子が招待されたんだろう?」
「兄貴は社長なのに知らないのか?」
「部長以上なら分かるが、一社員までは知らないなぁ。
よほどの功労者なのか? それか今回の企画に関係しているのかもしれないな。」
「企画?」
兄貴の話によると、今回、営業部が売り上げを伸ばすために考え出した企画があるらしい。
兄貴が珍しく俺の為にと、営業部の部長へ電話で「里子」について問い合わせをしてくれた。
その企画の考案者がどうやらこの里子という子らしい。
新卒ながら見事な企画書を書きあげたこの里子を特別に会社のパーティへ招待したということらしい。
しかし、このパーティは会社側は役職についているものが殆どなため会場の外にいたのだろう。



