亜紀が寝室へ戻ってくるまで絶対に寝ないで待っていようと思った。
何がなんでも今夜は亜紀を抱くんだ。
絶対に眠るものか。
しかし、
幾度待てども亜紀の姿がない。いつまで待っていればベッドへ入るんだ?!
時計の針を見ると既に日付が変わっている。
俺は亜紀が欲しくて我慢の限界に達していた。
そしてイライラしたまま子ども部屋へと向かった。
思いっきりドアを蹴散らそうか?! と思いながらも眠る子ども達が目を覚ますのは良くない。
音をたてないようにドアを開けて様子を見た。
すると、英紀に添い寝をする亜紀がいた。
椅子に座り英紀を抱きしめるようにして眠っていた。
そんな亜紀を見て俺の興奮は収まった。
「ベッドで寝るんだよ、亜紀」
そう声をかけて子ども部屋にある亜紀用のベッドに寝かした。
お休みのキスをして俺は部屋を出て行った。
亜紀は俺の妻であるが子ども達の母親でもある。
いつまでも俺が一人独占できる女じゃないんだ。
しょうがない、今日は英紀に譲ってやるか。
息子に嫉妬しているなんて俺は最低の父親だな。



