眠れない日が続いた。


体調は万全とは言えなかった。


出産が近づくということは離婚が近づくということ。


私が望んだこととはいえ、心から望んでいたわけではなかった。


苦しい胸の内を誰にも打ち明けられず悩みながら出産の日を迎えた。


破水に気づいた山田さんに連れられ病院へと向かった。


二回目の出産ということで本来ならば体調もお産も慣れて良いはず。


だけど、不眠の日々が私のお産を苦しめることになった。


こんなことになろうとは私も英輔も思わなかった。


私は、我が子との対面の喜ぶべき出産が英輔との別れになることで心を閉ざしてしまった。



そして、眠れぬ日々により体力が続かなく出産に耐えられない状態だった。