英輔は英紀の顔を見て頬に触れる。


触れる手が震えていた。


英輔は今何を考えているの?


何を思っているの?




「亜紀、俺たち離婚しよう。」




突然の言葉だった。


あまりにも突然すぎて私は頭が真っ白になってしまった。


そして、英輔の寂しそうな顔に胸が締め付けられるほどの痛みが走りその場に倒れてしまった。




「亜紀?!!」




かすかに聞こえる英輔の声。


そして駆け寄る英輔の姿がぼんやりと見えた。


けれど、意識を失くした私にはその後の英輔の表情を見ることはできなかった。