自業自得ではあるが、誰もがやはり山崎との間に出来た子どもだと思っている。


そう思われても仕方のないこと。山崎は確かに私の心の拠り所だったから。


でも、そんな山崎を私は利用したかたちになってしまう。


別居はしても離婚は出来ず、山崎には中途半端な期待ばかりを持たせていた。


だから、最後にあんな別れかたになっても当然のこと。


このことにはあまり触れたくないけど、英輔には説明する必要があると思っていた。


だから、その夜、英輔にこれまでのことを話すことにした。


山崎とはキス以上のことは何もしていないと、そんな関係ではなかったと。


そして妊娠が分かると別れ話を持ち出されたと。


その後、私は倒れた。あの時、具合が悪い私を山崎は置き去りにしたのだと。


英輔は山崎と体の関係がないことに驚いていた。深い関係だと思っていたらしい。


だから、本当は夏の山で初めて英輔と過ごした夜、私がバージンだったことに驚きと嬉しさがあったそうだ。


自分の花嫁は純潔だったと。そんなことを喜んでくれる英輔がとても可愛く見えてしまう私はやっぱり変だと思った。


あれほど嫌っていたはずなのに、あの山以来嫌に感じない。


英輔の言葉を素直に聞くことができる。


もしかしたら英輔を信じても良いのではないかと思うようになってきた。