「お前なぁ、最近、ほんとうに弛んでいるぞ。
もう少し気を引き締めないと。大学行くんじゃないのか?内申に響くぞ。」
そう、山崎は私のことをいつも気遣ってくれる大事な人。
あれから私は山崎と付き合っている。
私は藤堂から田所と姓を変えたことで何も知らないクラスの友達は私が離婚したと思っている。
高2で既にバツ1だなんて、冗談でもよして欲しい。
私は絶対に離婚は許されない。だから、山崎とは愛人関係になってしまう。
それでも、私の事情をよく理解してくれている山崎はこんな私に付き合ってくれる。
それがとても嬉しい。
そこへ携帯電話の着信音が鳴る。確認すると英輔からだ。
この数ヶ月音信不通だった名ばかりの夫。いったい今度は何の用なの?
またあの家で何かあるの? だったら藤沢愛華を連れて行けばいいのよ。
私は着信拒否をした。
「え? 出なくても良いのか?」
「いいの。関係ない人だから。」
「もしかして・・・・旦那さん?」
旦那なんて言わないでよ。私には関係ない人なんだから。
関係なくはないけど・・・・でも、会いたくない人。
「俺が言うのもアレだけど、電話は出た方がいいぞ。後で拗れるほうがもっと悪い。」
山崎は私の身を案じてくれている。だけど、英輔の声を今はまだ聞きたくない。
すると、今度はメールを受信した。
内容を確認すると今度の週末に義父が一緒に食事をしようというもの。
これには手が震える。 これはどうしても避けられない。
けれど英輔の顔を見たくない。悩んでしまう。
どうしようかと・・・・
「どうした?顔色悪いぞ?良くない知らせでも?」
良くないどころか最悪のメール。私が逃げられない連絡は生きた心地がしない。



