もう一度だけ、キミに




――――…



「じゃあね、奈央」


「うん、授業ファイト」


「うん、奈央もね」



緩くと手を振りながら、福祉・調理棟の扉を開けて中へ入って行く舞桜を見送り。


私は、理科棟の扉に手を掛け中へ入って行った。


そして、駆け足で生物室に向かい、閉まっている生物室の扉を少々乱暴に開け放った。




―――ガラララッ‼


「間に合った…!!」




途端、校内に響く本鈴の音。




「…ギリギリだ、阿呆」


「あだっ」